結核
結核は、空気感染するヒト結核菌、ウシ結核菌、またはマイコバクテリウム‐アフリカナムによって引き起こされる伝染性の感染で、生命にかかわる。
一般に、結核はヒト結核菌によって引き起こされる疾病のことをいうが、ウシ結核菌やマイコバクテリウム‐アフリカナムが原因のケースもある。
他のマイコバクテリアも結核に似た症状を引き起こすが、伝染性ではなく、そのほとんどが、結核に対して非常に効果的な薬物にあまり反応しない。
人間は、はるか昔から結核に羅患してきた。
ヨーロッパでは、都市の人口過密が普通になった産業革命のときに大流行し、死因の30%以上を占めた。
1940年代に抗生物質のストレプトマイシン、1950年代にイソニアジド、1960年代にエタンブトール、1970年代にリファンピンが開発されたことにより、結核との闘いは人間の勝利で終わったかのように思われた。
しかし1980年代半ばに、米国での症例数は再び上昇し始めた。
エイズが多くの都市部、ホームレス・シェルター、刑務所での人口過密や不衛生な状態とあいまって、結核を再び深刻な公衆衛生問題にしたのである。
かつて結核の治療に使われた抗生物質に対して、一部の菌株が耐性を持つようになったという厄介な問題も生じている。
しかし米国では現在、流行病としての結核は再び衰微し始めている。
結核は高齢者に多い。
1995年に米国で報告された2万3000の症例のうち、約28%が65歳以上であった。
高齢者に症例が多い理由は、基本的に三つある
(1)多くの高齢者は結核が今より多かった時期に感染した。
(2)老化は身体の免疫機能を低下させ、それによって休眠中の細菌が再び活発化する。
(3)慢性介護設備にいる高齢者は、結核に罹患する危険性のある他の高齢者と身近に接触する機会が多い。
結核は白人より黒人に多い。
理由として、貧困層には黒人のほうが数が多いという点と、結核という疾病のこれまでの経緯があげられる。
何千年もの間、結核は主に白人社会のヨーロッパでおびただしい数の命を奪ってきた。
その中で、たまたま結核に対して抵抗力のあった人たちが生き延び、子孫を残してきた。
そういった人たちが、結核に抵抗性の遺伝子を次の世代に伝えたのである。
これと対照的に、米国の黒人の先祖は米国に来て初めて結核に遭遇したため、まだ、結核に抵抗性の遺伝子を発現して子孫に伝えるというプロセスを経ていない。

結核の感染経路
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